イタリア奇想曲でも完璧なアンサンブルと超絶技巧が堪能でき、しかも楽しい。こんな演奏は他に類がない。
聴き終えたあと適度な興奮と爽やかな印象が残る。今だに色褪せない名盤である。
シャイー&コンセルトヘボウの黄金コンビのマーラー・チクルスの最後を飾る録音となったが、ふさわしい美演だ。
透明かつ耽美的なマーラー。28分以上かけた壮大なアダージョ・フィナーレは速いブーレーズ版より7分も長い。< BR>それでいて持続する緊張感があり,厭世的,耽美的な深みがゆっくりと増していく。録音もすごくいい。
マーラーの第9だから、とひたすら暗く重く演奏するのが主流と思うが、シャイーのマーラー像は若干違う。
聴き手はリフレッシュさせられるだろう。その美しい音色とサウンドが暗い夜空に、満点の星空を描き出している。
ちなみにウディ・アレンの「夫たち、妻たち」、ゴダールの「マリア」などでこの曲が使われている
定番化してもおかしくない実力。